呉七クロッシング #2:呉服町 茶ベニュー その1

ニューヨークを地図で見ると南北に走る通りがアベニュー、東西に走る通りがストリートとなっている。静岡市にこれを当てはめるのはなかなか難しいが、駅から北西側に伸びる道がアベニュー、北東から南西に伸びる道がストリートという関係だろう。

御幸通りや人宿町が御幸アベニュー、人宿アベニュー、江川町通りや本通りが江川ストリート、本ストリートになる。駿府城を中心に考えるとアベニューとストリートの関係は逆になるが、繁華街の形を見ると駅中心の方がしっくりくるように思う。

GOOD TEA LAB. the SHOP リアル店舗がある静岡伊勢丹。その静岡伊勢丹・玄関前の交差点を走る2つの通り、呉服町と七間町を上の関係に当てはめると、呉服アベニュー、七間ストリートとなる。七間町がアートの町と考えるとストリートと言う呼び方は違和感がない。CCC(静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター)以外にもギャラリーのようなものが増えれば、盛り上がって来るような気がするのだが。

さて、呉服アベニューである。人通りが多いとはいえ、駅前に商業施設が集積したため、若者を中心とした往来客は最盛期より減少している。そのためか空き店舗も増えており、少し寂れた雰囲気も生じている。

静岡伊勢丹に訪問することが増えたこともあり、よく呉服町を通るのだが、意外に目につくのがお茶屋さん。2020年8月にお茶が中心のライフスタイル・セレクトショップ「GOOD TEA LAB. the SHOP」(私たちの店)、2020年10月に美味しい抹茶アイスをはじめとする静岡茶製品を販売する「ななや 静岡店」がオープンし、俄然、お茶の通りとしての存在感が増してきたようだ。

呉服アベニューにあるお茶の店は、前述の2店舗に加え、1781年創業の茶店「竹茗堂」、1865年創業の茶店「小山園」、静岡の製茶問屋である丸善製茶株式会社が運営するティージェラートカフェ「MARUZEN Tea Roastery」の計5店舗。まさに茶ベニュー

竹茗堂

「竹茗堂」は一番老舗だけあって風格のある茶店といった雰囲気。店の作りも昔ながらの茶商店といった趣で、少し工夫をすれば観光客に受けそうだと感じた。

小山園

小山園は店の作りは竹茗堂より小さいが、英語字幕のビデオを流したり、筆書の綺麗なパッケージの「名人茶」を販売していたりと、随所に工夫が見られて面白い。

MARUZEN Tea Roastery

MARUZEN Tea Roasteryは、「煎茶堂東京」や「東京茶寮」を手がけたLUCY ALTER DESIGNが店舗やコンセプトデザインをしただけあって、かなりモダンな店舗。メニューも抹茶アフォガードがあるなど、個性的である。

今の呉服町は、お茶の店を巡るだけでも結構面白い。特に街中でお茶をしたり、弁当を食べたり、休憩したりできる「ハニカムスクエアー」が完成したことで、店舗で買ったお茶ドリンクや抹茶スイーツをテイクアウトしてゆっくり食べることもできるようになったことは大きい。銀ブラならぬ茶ブラを楽しむことができるようになった。

盛り上がる呉服町 茶ベニュー。次回は新店舗「ななや 静岡店」をじっくり紹介してみたい。

つづく

一品更屋 更屋松柏

* このコラムは更屋松柏の個人的な意見に基づくもので、関係する企業・団体・個人の意見とは異なります。このコラムに関するご意見・ご質問は一品更屋までご連絡をお願い致します。

呉七クロッシング #1:スノドカフェ 七間町

静岡伊勢丹を出て七間町をふらりと歩き、少し横道を入った場所にそのカフェはある。ハンバーグの美味しいスパーゴやつけ麺専門店のきじ亭などがある一角なので、穴場好きの方なら既にご存知だろう。

スノドカフェは静岡市内に3店舗あるが、他の2店舗は文化会館の中にあるので、個店としてゆっくり楽しめるのは七間町の店になる。外観はカジュアル・シックで、期待できる店構えだ。

店舗に入るとちょっとしたショップスペースがあり、持ち帰りができる焼き菓子やコーヒー豆、器や布ものが販売されている。打ちっ放しの床やむき出しを白で塗り込んだ壁に木製の棚が配置され、ブロカントを使った手作りカフェの雰囲気がある。ショーケースに並んだマフィンがそそる。

店の奥のスペースに入ると、意外と奥行きが広く、厨房に沿ったカウンター席とテーブル・ソファー席が広がっている。そして、その奥にはなんと畳が敷かれた座敷がある。ここで茶会を開いたら面白そうだ、などと考える。

ふらっと町歩きをしてふらっと入れる店というのは、ありそうであんまりない。サードプレイスなんて言い方をされるが、狭すぎると長居しずらいし、広すぎるとどうも煩さを感じてしまう。その点、スノドカフェは規模感が丁度良い。ゆっくりと本を読んで過ごしたい空間がここにはある。そして喧騒がないが故の穴場感。

コロナの影響で今は開催していないようだが、スノドカフェは魅力的なイベントを開催する場所でもある。芸術に関する論議の場を作ったり、壁面を使ってギャラリー的に展示を行ったり、七間町全体を使ったパフォーミングアーツ・イベントを主催したり。このような活動をしている場所、お店があるということは、町にとってすごく重要なことだ。

七間町はかつて芝居小屋が並んだ文化の町であった。その後映画館が並ぶ町になったのだが、今は通りを歩いても文化の香りはあまり感じられない。かすかに感じるその残り香を、火種を絶やさないようにつないでいる。それがスノドカフェだろう。

GOOD TEA LAB. は、お茶に限定してはいるものの、やはり文化を発信する場所である。七間町を文化の町としてさらに盛り上げていく、我々もまたその火付け役の一つになれればと考える。静岡伊勢丹に立ち寄ったら、帰り道にぜひスノドカフェで時間を過ごしてみていただきたい。この穴場感と文化の香りを感じてほしい。

一品更屋 更屋松柏

* このコラムは更屋松柏の個人的な意見に基づくもので、関係する企業・団体・個人の意見とは異なります。このコラムに関するご意見・ご質問は一品更屋までご連絡をお願い致します。

スノドカフェ 七間町

静岡市葵区七間町7-8
火曜定休・10:00〜24:00
sndcafe.net